2011年 07月 21日
宮城滞在の最終日。 ホテルをチェックアウトしてギャラリーへ。 近くのカフェで昼食を食べ、ギャラリーへ戻ると店長に「せっかく来たんだし、津波の被害があったところを見て来たらどうですか?」と勧められた。 正直に言って、津波の被害がどういうものなのか見てみたいと思っていた。 でも興味本位で見に行っていいものかとも思っていた。 実際に津波の被害に遭っている彼女からの言葉にのせてもらって、見に行くことにした。 ギャラリーからすぐのところに川があり、海から流れて来たと思われる砂が堆積して浅瀬が出来ていた。 そこでトンビらしき鳥がでっかい魚をついばんでいた。 そうか、波が来たんだから砂も運ばれてくるよねえ、などと考えながら、ぼんやり歩く。 ふと、足下がじゃりじゃりしていることに気づく。 舗装された歩道に、うっすらと砂が広がっている。 そうか、歩道にも砂が残ってるんだ。 と、いうことは… 足下に向けていた視線を少し横へ動かすと、街路樹が海と反対方向に傾いていた。 一本だけじゃなくて、同じような角度に何本も。 根元の土は波でさらわれたらしく根っこがあらわになって、傾いた状態で枯れている。 背の低い植え込みも枯れていて、何本かまとめてひもでくくられていた。 わあ、もうここって津波が来たところなんだ!? 周りを見渡すと、近くの建物の壁の、私の目線くらいの位置に津波の跡が茶色く残っていた。 まだギャラリーから5分と歩いていない場所。 本当にこんなに近くまで、こんな水位の波が来たんだ! そこからは周りを気にしながら歩き始めた。 人が住んでいる家が多いようで、きれいに直されている建物が多い。 道路だったり、住居だったり、直接生活に関わるところはきれいになっているけど、さっきの街路樹みたいに急を要さないものはまだまだ片付かないんだな。 ズンズン歩いて行くと、被害の後がそのままのものが目につくようになった。 壁にでっかい穴があいた家。 根元からグンニョリ曲がったガードレールには鳥肌が立った。 そりゃあ家が根こそぎ流されるくらいだから、鉄パイプだって曲がるよね。 大通りに出たら、ベコベコにへこんだ歩道。地盤沈下したんだろうか? 車道の方は車がガンガン走っている。 一階部分が柱だけになっているお店。 その隣ではパチンコ屋が、向かいでは、レストランが営業を再開している。 まだ営業再開できてないユニクロ。店長は「何億円寄付したとか言ってるけど、そんなのより営業再開して欲しい」と言っていた。 スクラップ屋さんには鉄くずが山積み。 空き地には瓦礫の小山が点々と。 街路樹は立ち枯れているものが多いけど、雑草は元気に生えていて妙に緑色。 低い植木にはいろんなものが絡み付いている。 歩道橋を渡ってみた。この歩道橋で命拾いした人もいたんだろうか。 再び始まっている生活と、手つかずのままの爪痕とのギャップで、なんとも言えない気持ちになりました。 テレビでは、車や家や船がすんごいところに乗っかってるところや、更地に瓦礫の山など、見た目にインパクトがある映像ばかり流しているけど、そういうところには映らないけど片付けない訳にはいかない残骸がものすごく沢山あるということを知りました。 こういうことはきっと現地に行って見ないと思いつかないことでしょう。 東京にいると、あまりにも日常に戻り過ぎて地震のことを忘れてしまいそう。 長く長く応援して行かなくてはならないと思いました。 夕立も降りそうだし、歩いたらキリがなさそうなので適当なところで引き返す。 ギャラリーに戻ったところでちょうど夕立が。 ものすごい雨脚、すごい音だなあと外を見たら、降っていたのはなんと雹! ひょー!! 1センチ以上はあるんじゃないか!?夏でも降るんだね! その後は天気もバチッと晴れて、私の作品をいくつも買ってくださっていた地元の方にも運良くお会いできました。 泊まりがけで行くような土地での初めての展示でしたが、今後はこういう機会が増えて行くといいな。 そうそう、最後に店長と二人で入った仙台駅ビルの寿司屋で食べた自家製の桃シャーベットが異常に美味しかったなー。 お土産で自分用に買った萩の月も!カスタード万歳!
by knkngi
| 2011-07-21 01:07
| みにいく
|
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