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2010年 04月 10日
元祖マイケル
先日、地元の府中市美術館に歌川国芳の木版画展を見に行ってきた。
近所にあるわりに、この美術館に見に行ったのはまだ2度目。
絵画の企画展が中心なので、なかなか見に行かずにいました。

くによし、と聞いてもどういう作品を書いた人か思い浮かばないかもしれませんが、リンク先にもある、人間がたくさん集まって一つの顔になっている浮世絵を見たことがある人は多いのではないでしょうか。

この日に見に行こう!と決めた前日の新聞に、写真入で展示が紹介されちゃったからなのか、普段からそうなのかは不明ですが、平日の昼間にもかかわらずなかなかの人の入りでした。
かといって見るためにイライラさせられるほどの混み方ではないので、ストレス少なくじっくり鑑賞できました。

ユーモアのある作品が目当てだったのですが、水滸伝シリーズなどのまじめなテーマの作品もすごくかっこよく、隅々までみっちり書き込まれているものが好きな私にはたまらないもの多数。
もちろん構図や絵柄もすばらしいのですが、これが全て木版画、つまりは彫り師が何枚もの精密な版木を彫ってタッチを再現し、摺り師が色を調整し、原画の迫力を損ねないように摺り上げているのだと思うと、普通の絵画にはない「ものづくり力」を感じます。
これが当時はお蕎麦一杯分程度の値段で売られてたらしいというんだから、いい時代だったんだなあ。

動物などを擬人化した絵も多く、M-1で笑い飯がやった…のとはまったく無関係な鳥人あり、蛙人あり。
衝撃的だったのは亀人。普通、亀を擬人化するなら甲羅を描きそうなもんなのに甲羅は描かれておらず、首のしわしわと、手の爪の感じで「これは…亀?」とわかりました。
よくよく見たら、来ている着物が亀甲模様でした。
そして、亀人の後ろにはなんと松人が!!松の木を擬人化って!!
国芳さんは猫がお好きだったようで、猫がちょこちょこ出てくるのも私好み。
踊っている猫の絵は、昔懐かしいホワッツマイケルを思い出しました。かわいい!

落書きのようなテキトータッチの「むだ書」にもびっくりしました。
サインペンで書きなぐったような絵と文字。
これもちゃんと彫り師と摺り師が作品にしてると思うと、感慨深かったです。

展示の最後には木版画風多色摺り体験コーナーがあり、ポストカードに5色のスタンプを捺していくと踊る猫ができあがり。
一枚だけですが木版の現物も見ることができました。
作品点数も多く、入場料も600円とお手ごろ価格。とてもいい展示だと思います。
新宿から府中までは特急を使えば20分ちょいなので、お勧めです!
これから行かれる人は、チラシももらって帰ることをお勧めします。
三つ折で、紙もしっかりしていて、とても良いですよー。

元祖マイケル_b0075027_2322347.jpg

この作品がババンとチラシに載ってます。

by knkngi | 2010-04-10 02:35 | みにいく


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