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2009年 06月 16日
愛される理由
さ〜て、そろそろ仕事すっか。

作業着に着替える。
作業用ズボンは夏や汚れる仕事でもなければ数日に一回洗うことにしている。
夕べ脱ぎ捨てたズボンをはいた。

右のおヒップに冷たい感触があった。
履いたばかりだからヒンヤリしてるんだろう。
数歩歩くと同じところがチクッとした。
最近湿疹ができていたので、また新たにできちゃったかな?
かくと酷くなるので、ズボンをつまんで皮膚から離す。
少々肌寒かったので、上に羽織るものを探すため、しゃがみはせずに体をくの字に曲げて、目当てのカーディガンを掴み、起きあがった。

パタン、と足元で音がした。
実は音だけではなく、ズボンの右足の中を何かが落ちていく感覚もあった。

右足の近くには、仰向けになったアイツがいた。
そう、世の中のほとんどの人に嫌われているであろう昆虫、ゴキブリである。
成虫よりは一回り小さく、おそらくまだ羽が生えてはいない3センチくらいの茶色い物体。

「ヒィっ!」
人間、本当に驚いた時には悲鳴なんてあげられないものである。
息を飲むのが精一杯。

何故、数十秒前のあの時、もっと疑わなかったのか?
右側だけ冷たく感じるなんておかしいではないか?
湿疹のチクチクとは違う刺激ではなかったか?

実は一瞬疑っていた。
あの感触を私は知っていた。
冷たくて、チクチク。

素足で踏んだ時の冷たさ。(2センチくらいのヤツ)
寝ている時に耳に乗られた時のチクチク感。(オトナのヤツ)
暗い洗面所で手を拭こうとしてタオルを掴んだ時に一緒に掴んだ時のチクチク感。(オトナのヤツ)

そっくりだった。
でも認めたくはなかったのだ。
確認するのが怖かったのだ。

声にならない悲鳴を聞いた母が、足だけピクピクと動く程度に瀕死のそれをティッシュで包んで捨てた。
断っておくが、私のケツ圧で瀕死になったのではない。はずだ。
なぜならば、昨日まで3夜連続でそのくらいのサイズのヤツが出現しており、3回とも殺虫剤をかけたものの、どこかへ逃げていったからだ。
きっとそのうちのどれかに違いない。

しばし呆然と立ちつくす私。
母「…とりあえず着替えたら?」
私「……うん…。」

前述の経験以外にも足に乗られたり、首元に乗られたり、数々の接触経験をしてきた。
何故?なんで家族の中でも私だけ!?
どうせなら独身男性に好かれたい。
って、前にも書いたような気がするな〜。

by knkngi | 2009-06-16 03:16 | いきもの


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